ボリンジャーバンドは、移動平均線の上下に値動きの幅(標準偏差)を帯状に描き、価格の行き過ぎや変動の大きさを目で見えるようにした指標です。
ボリンジャーバンドとは
ボリンジャーバンドは、米国の投資家ジョン・ボリンジャー氏が考案したテクニカル指標です。中心に移動平均線(ミドルバンド)を置き、その上下に標準偏差(σ:シグマ)で計算した線を引いて、価格が動く「帯(バンド)」を表します。
上下の線は、ミドルバンドから±1σ、±2σ(場合によっては±3σ)離れた位置に描かれます。値動きが大きいときはバンドの幅が広がり、値動きが小さいときは幅が狭まります。つまりバンドの幅そのものが、その時々のボラティリティ(変動の大きさ)を表しているのです。
スイングトレードでは、主に日足のチャートにミドルバンド(一般に20日移動平均線)と±2σを表示して使うことが多くなっています。
バンドが示す確率
ボリンジャーバンドの背景には、統計学の考え方があります。価格の動きが正規分布に近いと仮定すると、価格は次のような割合でバンドの中に収まるとされます。
たとえば±2σ以内に約95%が収まるということは、価格が±2σの線に届く・はみ出すのは「比較的めずらしい状態」だと考える、ということです。ただしこれはあくまで統計的な目安であり、相場では実際にこの確率どおりにならない場面も多くあります。「絶対にここで止まる」という保証ではない点に注意してください。
スクイーズとエクスパンション
ボリンジャーバンドで特に注目されるのが、バンドの幅の変化です。
- スクイーズ(収縮):バンドの幅がぎゅっと狭まった状態。値動きが小さく、エネルギーがたまっている局面と見ます。
- エクスパンション(拡大):バンドの幅が大きく広がった状態。値動きが活発になり、トレンドが出ている局面と見ます。
一般に、スクイーズのあとにはエクスパンションが来やすいとされます。静かに保ち合っていた相場が、あるとき一気に動き出す、というイメージです。
この「ボラティリティが収縮したあとに大きく動きやすい」という考え方は、マーク・ミネルヴィニ氏が説くVCP(ボラティリティ・コントラクション・パターン=ボラ収縮)とも通じるところがあります。値動きが落ち着いて準備が整った局面を探す、という発想は共通しています。
逆張りと順張り、2つの見方
ボリンジャーバンドは、立場によって正反対の使われ方をする指標です。ここは誤解されやすいので、丁寧に整理します。
逆張りとしての見方
価格が±2σの線にタッチすると、「行き過ぎ」と捉え、ミドルバンドへ戻る動きを狙う、という見方です。レンジ相場(一定の幅で行き来する相場)では、この考え方が当てはまりやすいとされます。
順張りとしての見方(バンドウォーク)
一方、強いトレンドが出ているときは、価格が±2σの線に沿うように動き続けることがあります。これをバンドウォークと呼びます。この局面では「±2σにタッチしたから逆張り」と考えると、トレンドに逆らうことになり、うまくいきません。むしろトレンドの強さの表れとして、順張りで捉える見方もあります。
つまり、同じ「±2σタッチ」でも、相場がレンジなのかトレンドなのかで意味がまったく変わるのです。
±2σにタッチ=即逆張り、ではありません。強いトレンドではバンドウォークが続き、逆張りが大きな損につながることもあります。いま相場がレンジなのかトレンドなのか、まず相場環境を確認したうえで、見方を使い分けることが欠かせません。
スイングトレードでの活かし方
スイングトレードでは、ボリンジャーバンドを単独の売買サインとして使うより、ルールの一部として組み込むのが現実的です。たとえば「スクイーズで値動きが収縮した銘柄が、バンドの拡大を伴って高値を抜けたところを狙う」のように、ボラの収縮からのブレイクを手がかりにする使い方があります。
大切なのは、バンドの形を感覚で当てにいくのではなく、あらかじめ決めた条件の一つとして淡々と使うことです。指標をどう戦略に落とし込むかについては、攻略ガイドの戦略の章(三つの戦略を使い分ける)で体系的に整理しています。